気づきにくい「初期段階」
うつ病は、最初から「うつです」とはっきり現れるわけではありません。はじめは小さな違和感や、少しずつ感じる「いつもと違う自分」から始まることが多いです。
初期に表れやすい心と体の変化
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- 朝、起きるのがつらい
- 食欲がわかない
- 甘いものを無性に食べたくなる
- 予定を入れるのがおっくう
- ミスや遅刻が増える
- 以前より元気が出ない
- SNSや人とのやりとりが面倒になる
毎日をなんとかこなしているけれど、
本当は、起き上がるのもしんどい。
誰かと笑っていても、心はどこか遠く、曇ったまま──
「これって、うつなのかな?」
そう感じたあなたへ。
その気持ちは、とても大切なサインです。
まずは、あなたの言葉で、今の思いを聞かせてください。
ゆっくりと、あなたのペースで大丈夫です。
うつ病は、(こころの風邪)と言われるほど、誰でもなりやすい病気です。 しかし、長引かせたり、反復させてしまいますと、(こころの肺炎)となり、ひどい際には、死にたくなり、自殺企図を起こすケースもありますから、【早期発見、早期治療、再発予防】が大切です。
現在、薬物治療のみの治療で改善のみられない方、再発再燃を繰り返しておられる方は、病態や薬物治療の見直しが必要です。さらに、薬物治療を補完する意味での、認知行動療法などの心理療法が必要となるケースもあります。
うつ病の中に、気分の波【うつ状態(落ち込みや、悲しみや不安、おっくう感などの活動性の低下や希死念慮)、軽躁状態(高揚気分、多弁、浪費、過活動など)】を反復する、双極性障害があります。
双極性障害は、うつ病と間違われたり、見逃されやすいため、うつ症状が長期化するケースが多く、うつ病のまま治療を続けますと、自殺率はうつ病よりも高い病気ですので、早めの発見と適切な治療を受けることが大切です。
うつ病の背景には、いくつかの要因が複雑に重なっています。脳内の化学物質のバランス、性格傾向、ストレス、生活の変化、人間関係、そして過去の経験。どれか1つが原因というよりも、「今まで頑張ってきた心の蓄積」が限界を迎えた状態とも言えます。
「原因を特定すること」よりも、「どうすれば楽になるか」を一緒に考えていきましょう。
うつ病の背景には、いくつかの要因が複雑に重なっています。
脳内の化学物質のバランス、性格傾向、ストレス、生活の変化、人間関係、そして過去の経験。どれか1つが原因というよりも、「今まで頑張ってきた心の蓄積」が限界を迎えた状態とも言えます。
「原因を特定すること」よりも、「どうすれば楽になるか」を一緒に考えていきましょう。
気づきにくい「初期段階」
うつ病は、最初から「うつです」とはっきり現れるわけではありません。はじめは小さな違和感や、少しずつ感じる「いつもと違う自分」から始まることが多いです。
初期に表れやすい心と体の変化
心と体が悲鳴をあげ始める「中等度」
違和感が日常になり、こころと身体の疲れが明確になってきます。この段階では、すでにかなり無理を重ねてきた状態です。
中期に表れやすい心と体の変化
日常が立ち行かなくなる「重度」
うつ病が深刻になると、心のエネルギーがほとんど枯れてしまったように感じることがあります。危機的なサインに気づいたら、すぐに支援を受けてください。適切な治療とサポートがあれば、少しずつ回復できます。あなたがその一歩を踏み出せるよう、私たちは寄り添います。
重度の時期に表れやすい心と体の変化
※ここでは、症状として少しでも当てはまるかを「チェック形式」で見つめてみましょう。
先ほどの内容と重なる項目もありますが、違う視点で振り返ってみてください。
うつ病の治療は、「気持ちを切り替える」だけではうまくいきません。こころと身体のバランスを整えながら、少しずつ「自分を取り戻す」プロセスです。
当院では、あなたの状態や希望に合わせて、以下のような治療法を組み合わせていきます。
考え方と行動のクセに気づき、少しずつ変えていくための治療法です。うつ病になると、「自分はダメだ」「どうせうまくいかない」といった否定的な思考にとらわれやすくなります。認知行動療法では、そうした考え方の“クセ”に気づき、少しずつ現実的な視点を取り戻す練習を行います。無理にポジティブにならなくても大丈夫。
あなたのペースで、一緒に心の習慣を整えていきましょう。
話すことで、つらさの背景や感情の奥行きを一緒に見つめていきます。誰かに話すだけで、こころが少し軽くなることがあります。当院では、「決まったプログラム」に従うのではなく、あなたの言葉を大切にしながら、時間をかけてお話を聴いていきます。
今すぐ解決しなくても、安心して気持ちを話せる時間が、回復の第一歩になると信じています。
薬がすべてではありませんが、つらい症状を軽くするための“手助け”になることもあります。不眠や食欲低下、不安が強い場合などには、抗うつ薬や抗不安薬を使うことも検討します。ただし、当院では薬だけに頼らない治療を基本としており、希望がない場合に無理に処方することはありません。
あなたと相談しながら、必要最小限の使用を大切にしています。
初診相談
お電話もしくは、メールにて、予約をお取りください。
当院は完全予約制・自費診療制です。
ご不明な点は事前にお問い合わせいただけます。
初回面談(50~90分)
現在の状態や、これまでの経過を丁寧にお聞きします。
質問にうまく答えられなくても構いません。
ご希望があれば、今後の方針や薬の選択肢についても説明します。
必要に応じて検査や処方
必要最小限の薬についてご相談する場合があります。
強くご希望がない限り、薬だけに頼る治療は行いません。
心理的ケアや生活面の調整を中心にお話しします。
2回目以降の面談(50分)
初診以降は、おおよそ2〜4週間に一度のペースで来院される方が多いです。回数や頻度はご本人の希望を尊重します。
カウンセリングでは、日々の変化、小さな気づきも大切に扱います。
治療の継続、もしくは卒業へ
心の調子が安定してきたら、通院の間隔をあけるご相談をします。治療の「卒業」も、ご自身で決めていただけます。必要があれば、いつでも戻ってきていただいて構いません。
気分が落ち込む日があるだけで、うつ病とは限りませんよね?
はい、誰にでも落ち込む日はあります。
ただし、その状態が2週間以上続いたり、眠れない・食べられない・集中できないなど、日常生活に支障をきたす場合は、うつ病の可能性もあります。ご自身だけで判断せず、お話だけでも聞かせてください。
仕事や家庭が忙しくて、疲れているだけだと思うのですが…
「疲れ」か「うつ」かの境目は、自分では分かりにくいことがあります。
無理を重ねてきた結果、心のエネルギーが底をついてしまうこともあります。
休めるうちに立ち止まって、自分の状態を見直すことも大切です。
誰かに相談するのが苦手です。それでも診てもらえますか?
もちろん大丈夫です。
うまく話せなくても構いません。話したくないことは話さなくて大丈夫です。
「ここなら少し話せるかも」と思えるまで、私たちは待ちます。
どんな診察をされるのか、不安です。
初回は、90分かけて、お話しをじっくり伺います。
決まった質問に答える形式ではなく、自由にお話いただいて結構です。
無理に何かを決めたり、すぐに治療方針を押しつけることはありません。
薬を飲みたくないのですが、それでも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
薬はあくまで“ひとつの選択肢”であり、必ず処方するものではありません。
お話をうかがったうえで、必要性やご希望を丁寧に確認しながら判断します。
自費診療とありますが、どれくらいの費用がかかりますか?
初回は、90分で20,000円です。再診は、50分で、15,000円です。
薬物治療は、必要最低限の処方になりますが、薬物治療も自費になります。
ただし、薬物治療のみ、保険のクリニックで受けられ、カウンセリングのみ、当院で受けられる方も、まれにいます。なるべく、患者様のご希望に沿うかたちをとらさせていただきます。
どんなタイミングで受診すればいいのでしょうか?
「このままでいいのかな」と迷ったときが、ひとつの受診のサインです。
必ずしも“深刻な状態”でなくても大丈夫です。
少しでも「今のままではつらい」と感じたら、遠慮なくご相談ください。
家族やパートナーが気になっています。付き添いは可能ですか?
はい、ご希望があればご家族の同席も可能です。
ご本人の了承を前提としながら、ご家族の不安にも寄り添えるように対応いたします。
一度相談しただけで終わってもいいですか?
もちろんです。
「とりあえず一度話してみたい」という方も歓迎しています。
定期的な通院を無理にすすめることはありませんので、ご安心ください。
自分が本当にうつ病なのか、まだ分かりません…
その“わからなさ”のまま来ていただいて大丈夫です。
診断名よりも、まずは「つらさの中身」を一緒に見ていくことが大切だと考えています。
ご自身の状態を知るための、ひとつのステップとしてご利用ください。